短文小説

短編小説

キラキラした冬の夜空にラジオを掲げて。 スイッチを押した。耳に入るのは「天体観測」誰もが知ってるヒットソングだ。 僕は窓を少し開けて、凍えたふりして カップラーメンをすする。ラジオが歌う夢をこっそり信じて、暖を取る。 明日には日が昇ることを信…

短編小説

「リライト」 まず、すべてを消そう。 そこに絵の具を落とそう。何色だろう? モヤモヤと霞んではっきりしない。 涙で滲むせいなのです。 一体私は何色なんだろう? 「ねぇ?何色なの?」 ずっとそれが聞きたかったの。 勇気が有れば良いのにな。きっと深い…

短文小説

【抱きしめる】 赦して。間違えた僕を。 許してまちがえた…愛 許して下さい。間違えた未来を。 そうやってすすり泣いていた。百の夜を過ごした。 「許して下さい。」 いつの間にか僕は毛布に包まれていた。そのまま、布団の上から抱きしめられていた。 彼女…

短文小説

「窓ぎわで 空を見上げる 午後3時」 窓ぎわに座りたくなる゛癖゛がある。 四角い窓、丸い窓、どんな場所も特等席だ! おやつの時間は雲が綿菓子に見える。 午後3時ひつじ雲はメエメエ甘かった。 今はとても変な天候だ。でも僕には大災害も関係ない。不謹慎っ…

短文小説

「心の矢」 切ないながら僕は君のただの脇役だった。 日が落ち没入していく心。真っ赤に陥ってしまった。 僕の心は 三本の矢みたく折れたがらないシンドローム(症候群)なのだ。 単語ガチャ 脇役 矢 没入 陥る

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海辺に足跡を残して君と僕は歩いた。 ピンクの桜貝を拾い集めるのは なかなか手間だ だけど、君と一緒ならば。 桜貝を見つけるたびに、君はきゃっきゃとはしゃぎ、僕は微笑む。 こんな心の空模様がいつまで続くのか。 僕は不安で幸せなのだ。 桜貝が君と僕を…

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「ジゴク」 輪廻転生とは「ジゴク」である。 けして廻りつづけることは楽ではない。 僕はそれを踏みつけて、高笑いをする為 生きることに決めた。 一瞬一瞬がどんなに貴重なものか 「考えたことある?」 知ったかぶって君は笑う。僕もつられて笑う。 このジ…